わたしから見えた世界2 〜はじめての友達〜
(「わたしから見えた世界」と題して、プロフィールがわりに自分のことを書いています。)
突然ですが、はじめての友達を覚えていますか?
わたしは、ピアノだったと思います。
3歳の時、どうしてもピアノが習いたくて、親にせがんで習いにいかせてもらいました。
こんなに頑張って意思を伝えたのは小学校時代も含め、この時だけだったかもしれません。
幼い時から、うまく自分の気持ちを伝えられなかったんですね。
怒ってても、「イヤ!」と言葉でも態度でも出せない…。
それが悲しくて泣く。
泣くとまた怒られる、
またからかわれる…
そんな繰り返しの中、
家に帰ってピアノをポロンと弾くと
自分の心に響く音がありました。
嬉しくなって
その日の自分に響く音を探し、
激しい波のように低い音を連打して
荒ぶる心を表現したり
涙がぽとぽと落ちる様を雨だれに見立て、悲しみを癒したり
繰り返しの上昇の中で
弾けるような高揚感を表現したりして
おさまりきれない心 (感情) を
なんとか保っていたように思います。
そう。
1番そばにいて寄り添ってくれたのが
ピアノでした。
今思うと、幼い頃はもっと言葉になる前の未分化な感覚の中で生きていたような気がします。
その時の空気とか情景とか音とかが、自分の気持ちとまざって溶けていて、
全体の中に自分も溶けている…
だから、自分の気持ち…というのも
どこか切りとり難かったのかもしれないと今少し感じています。
藤田みのり
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